労働保険の年度更新はひとり社長に関係ある?対象条件と判断基準を解説

締切・手続き

労働保険の年度更新の封書が届くと、「従業員がいない自分の会社も出すのか」と不安になります。結論として、従業員を雇っておらず、労災保険の特別加入もしていないひとり社長は、通常は年度更新の対象になりません。

ただし、過去に従業員を雇っていた、短時間のアルバイトを雇っている、労災保険の特別加入をしている場合は、手続きが必要になることがあります。封書が届いた場合は、自己判断で捨てずに適用状況を確認しましょう。

公式情報の確認: 労働保険の年度更新や成立手続きは、厚生労働省、都道府県労働局、労働基準監督署、ハローワークの案内で確認してください。個別の要否や保険料計算は、管轄の労働局または社会保険労務士へ確認するのが安全です。

ひとり社長に労働保険の年度更新は必要?

労働保険の年度更新とは、前年度の確定保険料と新年度の概算保険料を申告・納付する手続きです。厚生労働省の案内では、原則として毎年6月1日から7月10日までの間に行う手続きとされています。

労働保険は、労災保険と雇用保険の総称です。原則として、労働者を1人でも使用する事業は適用事業となり、労働保険の成立手続きや年度更新の対象になります。

ひとり社長が実務で確認すること: まずは、自社に「労働者」がいるかを確認します。従業員、パート、アルバイトを雇っておらず、労災保険の特別加入もしていない場合は、通常は年度更新の対象外と考えられます。

  • 現在、従業員・パート・アルバイトを雇っているか
  • 過去に従業員を雇い、労働保険の成立手続きだけが残っていないか
  • 社長自身が労災保険の特別加入をしていないか
  • 労働局から年度更新の申告書や案内が届いていないか

法人の代表者である社長本人は、通常、雇用される労働者とは扱いが異なります。そのため、社長一人だけの会社で従業員がいない場合は、労働保険の年度更新が発生しないのが基本です。

ただし、すでに労働保険関係が成立している会社や、労災保険の特別加入をしている会社は扱いが変わります。申告書が届いている場合は、対象外だと思っても管轄先へ確認してください。

年度更新が必要になる「雇用」の境界線

カレンダー、チェックリスト付きのノート、書類が並ぶデスクの俯瞰イラスト。労働保険の年度更新手続きや確認作業をイメージした静かなデザイン。

労災保険は、原則として労働者を1人でも使用する事業に適用されます。パートやアルバイトであっても、労働者として賃金を支払っていれば、雇用形態の名称だけで対象外にはなりません。

雇用保険は、労災保険とは被保険者になる条件が異なります。一般に、31日以上の雇用見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上である場合は、雇用保険の被保険者になる可能性があります。

状況 労働保険の見方 年度更新の確認
社長一人のみで、特別加入なし 通常は労働者なし 通常は不要
社長が労災保険の特別加入をしている 加入区分に応じて保険料確認が必要 事務組合・特別加入団体・労働局に確認
パートを1人雇用している 労災保険の対象になる可能性が高い 必要になる可能性が高い
週20時間以上・31日以上見込みの人を雇う 労災保険に加えて雇用保険も確認 労働保険料の申告対象として確認
ひとり社長が実務で確認すること: 「週20時間未満だから何もしなくてよい」と決めつけないことが大切です。雇用保険の対象外でも、労災保険の成立手続きや保険料申告が必要になる場合があります。

  • 雇用契約書や勤務実態で、労働者に当たる人がいるか確認する
  • 週20時間未満のアルバイトでも、労災保険の対象にならないか確認する
  • 初めて人を雇う前に、労働保険関係成立届の要否を確認する
  • 雇用保険の要件は、ハローワークの案内で別途確認する

年度更新の期限と、放置した場合のリスク

年度更新の申告・納付期間は、原則として毎年6月1日から7月10日までです。年度によって曜日の関係や最新案内が出るため、対象になる会社は厚生労働省の年度更新ページを確認しましょう。

年度更新の対象であるにもかかわらず手続きをしない場合、政府が保険料を決定することがあります。さらに、追徴金が課される可能性もあるため、対象会社は期限内に申告・納付を進める必要があります。

注意: 「封書が届いたが、従業員はいないはず」という場合は、過去に成立した労働保険関係が残っている可能性があります。廃止や変更の手続きが必要なこともあるため、管轄の労働局または労働基準監督署へ確認してください。

また、労働保険の成立手続きが必要な事業であるにもかかわらず手続きをしていない場合は、さかのぼって保険料や追徴金を徴収される可能性があります。労災事故が発生した場合には、給付に要した費用の全部または一部を徴収される可能性もあります。

ひとり社長の場合、税務や社会保険の手続きと混同しやすい点にも注意が必要です。労働保険は主に労働局・労働基準監督署・ハローワーク、社会保険は年金事務所、税務は税務署と管轄が分かれます。

公式情報を見た後に、ひとり社長が実務で確認すること

労働保険の判断で大切なのは、「自分が社長だから」ではなく「労働者を使用しているか」「特別加入や過去の成立手続きが残っているか」を見ることです。ここを確認すれば、年度更新が自社に関係するかをかなり絞り込めます。

登記や法人税申告など、会社維持の手続きも重要です。ただし、労働保険の年度更新の記事では、まず労働者の有無と労働保険の適用状況に絞って確認する方が実務では迷いにくくなります。

次に取る行動: 迷ったら、次の順番で確認してください。どれか1つでも該当する場合は、管轄先への照会をおすすめします。

  • 現在、従業員・パート・アルバイトを1人でも雇っているか確認する
  • 雇用保険の対象外でも、労災保険の対象にならないか確認する
  • 労災保険の特別加入をしているか、事務組合や加入団体の書類を確認する
  • 労働局から年度更新の申告書や納付書が届いていないか確認する
  • 過去に従業員を雇っていた場合、労働保険の廃止手続きが済んでいるか確認する
  • 判断に迷う場合は、管轄の労働局、労働基準監督署、ハローワーク、または社会保険労務士に確認する

従業員がおらず、特別加入もなく、労働保険関係が成立していない会社であれば、年度更新は通常不要です。一方で、1人でも雇用した時点で労災保険の確認が必要になるため、採用を始める前に手続きの全体像を把握しておきましょう。

最新の年度更新期間、申告書の書き方、電子申請、保険料率は年度ごとに案内が更新されます。最終判断は、必ず厚生労働省や都道府県労働局の公式情報で確認してください。

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