IT導入補助金はひとり社長でも使える?対象ツールと確認ポイント

支援制度・補助金

「会計ソフトを導入したいけれど、自分一人だけの会社でも補助金はもらえるの?」「手続きが難しそうで、どこから手を付ければいいかわからない」と悩んでいませんか。

結論から言えば、ひとり社長や従業員のいない個人事業主でも、要件を満たせばデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)を申請できる可能性があります。

ただし、自分でソフトを買うだけでは補助対象になりません。事務局に登録されたITツールを、IT導入支援事業者のサポートを受けながら申請・導入する必要があります。

まずは現状の課題を整理し、最新の公募要領で自身の事業形態が対象外でないかを確認することから始めましょう。

この記事では、ひとり社長がデジタル化・AI導入補助金を活用するための実務的なポイントを解説します。

この記事の立場

本記事は、中小企業庁・ミラサポplus・補助金事務局の公式情報をベースに、ひとり社長の実務に即した視点で構成しています。

補助金は予算、公募回、申請枠により内容が変動します。必ず最新の公募要領と公式サイトを確認してください。

ひとり社長も対象?デジタル化・AI導入補助金の基本要件

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上や労働環境改善のために、AIを含むITツールの導入を支援する制度です。

2026年度から、従来のIT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」という名称に変わっています。

従業員がいないひとり社長でも、法人または個人事業主として事業を営み、対象事業者の要件を満たせば申請対象になり得ます。

ただし、業種、資本金、従業員数、みなし大企業の該当有無、過去の補助金利用状況、納税状況などにより対象外となる場合があります。

「ひとり社長だから必ず対象」とは考えず、最新の公募要領で確認しましょう。

検討を進める際は、以下の3つのステップで判断するのが実務上の近道です。

  1. 事業形態の確認:自社が中小企業・小規模事業者等の対象範囲に含まれるか確認する。
  2. 導入目的の明確化:会計処理、受発注、決済、業務管理など、どの業務を効率化したいのか整理する。
  3. 公募状況の確認:公式サイトで現在の募集枠と締切を確認する。

ひとり社長が実務で確認すること

2026年5月15日時点では、デジタル化・AI導入補助金2026の申請受付期間は2026年3月30日から6月15日までとされています。

申請枠ごとに要件が異なるため、通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠のどれに該当するかを確認しましょう。

ひとり社長が狙いたい会計ソフト・業務効率化ツールの対象範囲

ひとり社長のデスクで業務効率化の計画を立てる手元のイラスト。水彩と色鉛筆の温かみのあるタッチで表現。

ひとり社長にとって使いやすい候補は、インボイス制度への対応や日々の経理処理を効率化する会計ソフト、受発注システム、決済ソフトなどです。

インボイス枠(インボイス対応類型)では、会計・受発注・決済のうち、一定の機能を有するITツールが対象になります。

補助率や補助上限額は、申請枠、導入する機能、補助額の区分、小規模事業者かどうかによって異なります。

たとえばインボイス枠では、50万円以下の部分について小規模事業者は補助率4/5以内とされています。

また、PCやタブレット等のハードウェア購入費用は、インボイス枠など一定の枠で、対象ソフトウェアの利用に資するものとして認められる場合があります。

ハードウェア単体で自由に購入できる制度ではないため、必ず公募要領とIT導入支援事業者に確認してください。

対象の例 主な内容
ソフトウェア費 会計ソフト、受発注システム、決済ソフト、業務管理システムなど
クラウド利用料 クラウド利用料の最大2年分が対象となる枠があります。
導入関連費 設定費用、導入支援費用、保守・サポート費用など、枠ごとに定められた範囲
ハードウェア関連費 PC・タブレット、レジ、券売機など。対象となる枠・条件が限定されます。

ひとり社長が実務で確認すること

導入したいソフトが、事務局に登録されたITツールであるかを確認してください。

どんなに便利なソフトでも、登録されていないものは補助対象になりません。公式サイトのITツール検索を活用しましょう。

失敗を防ぐための申請フローとIT導入支援事業者の役割

デジタル化・AI導入補助金の大きな特徴は、申請者が単独で手続きを完結するのではなく、IT導入支援事業者と一緒に申請を進める点です。

IT導入支援事業者は、ツールの提供、導入支援、交付申請のサポート、導入後のフォローなどを担います。

申請にあたって、ひとり社長が早めに着手すべきなのがGビズIDプライムの取得です。

本事業の交付申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行までおおむね2週間かかるとされています。

また、SECURITY ACTIONの自己宣言も申請要件です。

2026年の公募要領では、SECURITY ACTIONの一つ星または二つ星の宣言が求められています。

申請に向けた必須準備リスト

  • GビズIDプライムアカウントの取得
  • SECURITY ACTIONの一つ星または二つ星の自己宣言
  • 納税証明書など、公募要領で指定された提出書類の準備
  • 導入したいITツールとIT導入支援事業者の選定
  • 補助事業後の効果報告まで対応できるかの確認

IT導入支援事業者は、補助金活用のパートナーです。

ひとり社長の場合、導入したいツールのメーカーや販売代理店が支援事業者として登録されているかを確認し、早めに相談を開始しましょう。

ひとり社長のための活用チェックリストと注意点

補助金制度で誤解しやすいのが、お金が入るタイミングです。

補助金は、交付決定後に補助事業を実施し、支払い・導入・実績報告を行った後に交付される後払いの仕組みです。

交付決定前に契約・発注・支払いを行った経費は、原則として補助対象になりません。

また、ツール購入時には一時的に全額を自社で支払う必要があります。

「補助金が出るから自己資金ゼロで買える」というわけではないため、資金繰りには十分な配慮が必要です。

申請すれば必ず受給できるものでもありません。

審査の結果、不採択となる可能性があり、特定の会計ソフトが必ず対象になる保証もありません。

最終チェックリスト:次に取るべき行動

  • 公式サイトの確認:ミラサポplusと補助金事務局サイトで、最新の公募締切と公募要領を確認したか
  • 資金計画の策定:交付決定後、補助金入金まで自社資金で支払いを立て替えられるか
  • ベンダーへの打診:導入したいツールの担当者に「デジタル化・AI導入補助金を使いたい」と伝えたか
  • 対象ツールの確認:そのソフトが登録ITツールとして掲載されているか確認したか
  • 効果報告の理解:導入後の報告義務や、途中解約時の扱いを確認したか

デジタル化・AI導入補助金は、ひとり社長のバックオフィス業務を効率化する有力な選択肢です。

制度の複雑さに惑わされず、まずは公式情報の確認、GビズIDプライムの取得、信頼できるIT導入支援事業者探しから始めてください。

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